2022年9月  ◇◇脳梗塞 入院生活1 その1◇◇

 

 県病院では、5日ほど、点滴治療を受けました。

 約3か月弱の入院期間で、治療は、この約5日間の点滴治療だけでした。

 始めは、トイレも管を繋ぎ、2日間は寝たきりでしたから、「これからどうなるのだろうか」と最も不安な時でした。

 

 救急対応病院ですから、翌日も、翌々日も脳梗塞の患者が運ばれました。

 皆、意識を失ってから、病院に運ばれ、気が付けば、ベッドの上という状況でした。「タバコか吸いたい」とか歩けるつもりで「大丈夫、今すぐ家に帰る」と看護師にごねる人ばかりでした。

 

 私は、左足は全く動かない記憶がありましたが、点滴治療で、左足の感覚が戻ってきたので、「ひょっとしたら、歩けるかもしれない」と期待しました。

 幸い足は、平坦なところだと、最初から杖なしで歩くことができるまで回復していたことは、不幸中の幸いでした。

 あとは、ひたすらリハビリ生活でした。約2週間で、リハビリ専門の「西広島リハビリテイション病院」に転院しました。

 

 後に脳梗塞をした頭の写真を見ましたが、血管の詰まったところより先は、しわになって、小さく固まった状態でした。

  

 左手は、肩が少し動く程度で、最初は手を吊り、固定していました。

 

 入院期間中は、夜に決まって、金輪島の地獄絵図のような夢を見て、熟睡できませんでした。私もいびきをかくので文句はいえないと思いましたが、ウトウトとしていると他人の物音で目が覚め、それで眠れなくなる。相部屋で、とにかく、経験のない、辛い日々でした。程度は分かりませんが、明らかに、うつ病の症状でした。

 

 病院というところ、経験のない異常な世界でした。

 主に、看護師は車椅子の人の世話に追われ、余裕のない状況です。

 患者は、目が充血し、目のすわった人を多く見ました。

 コロナ前は、そのような時、家に帰す許可を出していたようですが、今は、面会を含め、コロナ感染予防を優先しています。院内感染すると、高齢で体力のない方が中心ですから、当然の対応です。

  

2022年9月  ◇◇脳梗塞 入院生活1 その2◇◇

 

 コロナに関しては、看護師やスタッフは、最大限の感染予防対応をしています。

 しかし、入院患者は、高齢者が多く、問題意識は薄いので、危険な状況です。誰かが持ち込めは、感染するだろうという場面が多いです。そして、総じて体力のない方が多いですから、持ちこみのリスクを最小限にするしかないだろうと思います。

 

 看護師や医療スタッフの気の使いようは、並大抵のレベルではなく、頭の下がる思いです。それも家族ぐるみでの対応だから、この状況は異常で、早く元の生活に戻してあげたいと思います。

 

 入院は、とにかく異常な世界でした。申し訳ないけれど、車椅子の人を見て、「あの人よりは恵まれている」と自分に言い聞かせ、ひたすら耐えていました。  

 

 今も、あの時のことを忘れないため、毎年、発症した1月に、2週間のリハビリ入院をしています。ただし、個室で看護師もリハビリスタッフも優しく、最高の環境でリハビリに専念できますが、あの時のことがよみがえり、気持ちを新たにできます。