◇◇2022年9月 ◇◇脳梗塞の症状 手編 その1◇◇

 

  作業療法士がリハビリを担当します。厳密には、手のほかに、様々な分野を担当します。

 私の場合、手は動かないのと変わりない程、深刻でした。

 動かすと筋等を痛める危惧かあり、しばらく補助の三角巾のようなもので手を吊っていました。そうすると手が固まり、動かすと電気が走ったような激痛が走りました。信じられないような痛みでした。よく車いすの患者が「触らないでくれ」とヒステリックに言うのを目にしましたが、その痛みだと思います。歩くことに重点を置いた結果、使わないと早かったです。

 

 第一段階は、この激痛のないところまで、いかに体を慣らすかという課題でした。入院期間中の半分以上は、この痛みとの闘いでした。少しずつ、可動域を広げると未知の領域でこの痛みがありました。弱音は吐きたくないと思い、「痛い」とは決して言いませんでしたが、顔をしかめるので、分かったと思います。徐々に、この痛みがやわらぎ、今は、通常の痛痒い感じだけです。この痛みが消えた時は、ほっとしました。この激痛は、経験者しか分からないと思います。

 

 手を吊るのは最近は余りしないらしく、確かに、腕が固まるのは早いです。ただ、寝相なんかも悪く、危なかったのは確かで難しい選択でした。

 

 退院した頃は、なんとか頑張って、手を上に上げられるけれど、止められないレベル。2年目で止められて、横は、ほぼ、真横180度まで広げることができるレベルでした。

 

 

◇◇2022年9月 ◇◇脳梗塞の症状 手編 その2◇◇

 

 肩、ひじ、手首、指の順番で動きがでてくるそうです。末端ほど遅く、手の複雑さの現れです。ほぼ、3年目の今は、肩が75%、ひじが50%、手首が25%、指が10%くらいでしょうか。一年前は、同じく50%、25%、10%、5%くらいだったと思います。感触ですが。

 肩甲骨を鍛えることにより、肩がしっかりと保て、姿勢が良くなったという実感があり、それが最近の一番の進歩です。しかし、腕が横から真っ直ぐ下にスーと落ちる感覚はまだなくて、重りをつけると大丈夫ですが、まだ、「痙縮」があり、次の課題です。それと、今は、直線的には、ほぼ、右手と同じ可動域はありますが、ひねりなどの曲がりが今後の課題です。

 

 この病気の特徴として、「痙縮」といういわば「ブレーキ」が効いた状態で車を走らせようとしているところだと。院長先生の説明が非常に分かりやすかったです。多くを望まず、如何に、痙縮をとり除くかということに、今は専念しようと思いました。気の長い話ですが、毎日、ジムに通い、負荷を軽くして、繰り返し運動で痙縮をとる運動を行っています。今は、その成果が確実に出ています。まだまだ、「痙縮」をとることに専念します。

 通常、左の掌は、痙縮により常に「ぐー」の状態したが、痙縮が取れてきたせいか、最近は「パー」と「ぐー」の中間で、緩んだ状態、右手と変わらなくなりました。

  このように、少しずつ、「痙縮」はとれている実感があります。でも、肘は、まだまだと感じているので、もうしばらくは、痙縮をとることに専念します。

 

 現状は、指は、なんとか握る方向には指は動きますが、開く方向には動きません。緩む感じはありますが、開く感じはないです。痙縮は握る方向に働くので、まずは、痙縮をとることと。次に、手首に動きが出てくれば、自然と開く方向に手首を動かすことによって、可能性がでてくるようです。

 

 着実に、「ブレーキ」は軽くなって動き易くなってはいるものの、脳の指令を失っているから、そうそう簡単には動きません。でも「痙縮」ゼロに近づくとどんな感じだろうかとその方が興味深々です。

 

 次の段階は指を動かすことで、そして、最終段階が指の「分離運動」です。それぞれの指が別々の動きをすることは相当ハードルは高いです。5年から10年のスパンで考えてますから、まだまだ先は長いですし、ギターを弾きたいという最も高いハードルを設定したから、道半ばです。

 終わりにしたとしても、一生ジムで鍛えると思いますし、「お風呂はルネッサンス」と生活習慣になってます。

 

 ギターは、「レフティーもかっこいいよな」と。左利き用だと、左手はストロークだけでも一応弾けるし、比較的、簡単なメニーも用意しております。

 

 昔の先輩とかが医者でもないのに、よく「手はどんな感じ?」とか具体的に聞くことがあり、「動きません」と答えると 「そうか」・・・と会話が途切れてしまうことがあります。別に、アドバイスを求めているわけではないし、上司ではないので知っておく必要もないので、一般的な励ましの言葉で十分です。 

 

◇◇2022年9月 ◇◇脳梗塞の症状 手編 その3◇◇ 

 

 この病気なった方が家族の中にいる方などに理解して欲しいのですが、通常のイメージは、できないことが努力でてきるような単純なイメージだと思います。

 

 

 でも、脳梗塞のケースでは、痛みと戦いなから、硬く固まっている「痙縮をとって」始めてスタートラインに立てるのです。ブレーキが効いた状態で動かすことは本当に大変で、しんどいです。体は、動かすことに抵抗しています。数倍の労力と時間が必要で、想像以上に大変なことです。だから、あきらめる人が多いのも理解できます。とにかく、気長に取組むしかないです。

 

 私が子供の頃、「あっちゃん」という女性が隣に住んでいました。私より2~3歳年上でした。「赤ちゃんの時に、お手伝いさんがあやしている際に、子供を落として頭を打ち、障害をおった」と母が教えてくれました。

 視力はほとんどなく、体の方は歩けましたが、ぎこちない様子でした。

 大切に飼っていた文鳥を、腕の側でバタバタしていたので、誤って条件反射で腕に挟み、殺してしまったと悲しそうに言っていました。

 20年前くらい前ですが、母がいろいろと福祉関係の方にお世話になっいた頃に、市の福祉関係で働いている彼女に会ったといってました。「和君には会いたい」と言ってくれたそうです。

 

 今思うと、彼女も、脳梗塞と同じ痙縮の症状があったと思います。足や手に痙縮があったと思います。大変な思いをしていたんだと、今更ながらに思います。

 交通事故のケースなどにも、痙縮の症状は見られるようです。