2022年10月 ◇◇金輪島は「住めば都はるみ」です その1◇◇ 

 

 金輪島では、高齢者が朝、定期船と市内電車で、病院に行き、近くのスーパーで買い物を済ませ、昼頃に帰って来るという生活をおくっています。宇品に住んでいるのと10分の定期船の乗船時間が違うだけで、時間は正確ですから、いつもの習慣になれば、不便はないようです。

 海を見ながら、平坦な道を数分程歩き、10分定期船に乗り、そのあと市内電車に乗るという生活習慣。それが難しい程、年老いたら、施設に入ろうかという自然体の暮らし。車には依存せず、自然に優しい誰にも迷惑をかけることのない理想的な生活習慣だと思います。

 

 今は、誰も通勤・通学する者はいませんが、金輪島発の始発が朝7時で、宇品発の最終が20時20分です。一日11往復あります。時間は正確で、欠航は台風の時だけで、事前に分かりますので安心です。ここにきて、9年になりますが、台風で他の交通機関も止まるような日、テレビで「・・・線、全線通行止め・・・」とテロップが流れる日にだけ、欠航しました。その日は、新来島ドックもお休みです。ですから、安心して、通えます。

 タクシーは来ないとお思いでしょうが、海上タクシーもあります。実際に使うほどの急用は私にはありませんが。勿論、救急車も、消防も来ます。

 ゴミ収集も同じく来ます。広島市ですから。いつ捨ててもいいので便利です。

 ガスはプロパンですが、上水道も、電気も揃ってます。下水道はありません。必要な公共サービスは、揃っています。

 買い物は、「海岸通」あたりで何でもそろいます。

 車が欲しい人は、桟橋に月7~8千円で駐車場を借りれば大丈夫です。 

 

 固定資産税等は、都市計画地域ではないので、都市計画税は不要で安いです。

 

 コンビニはないので、近くにないとダメな人は住めません。ただ、それだけのことです。私は、コンビニの依存度は0なので、ここで不便さを感じたことはありません。一応、缶詰とか冷凍食品の買いだめはします。

 車の騒音のない生活なんで他にはないので気に入ってます。 

 

2022年10月 ◇◇金輪島は「住めば都はるみ」です その2◇◇ 

 

 リハビリで郊外線のバスに乗りますが、約1時間に1本のバスが4~5回に1回程度、30分位遅れます。原因はバイパスの渋滞という社内放送だけで、何の対策もなく、毎月それを繰り返すだけですから、誰もバスに乗らなくなります。

 10~15分毎のバスなら誰も気づきません。仕方ないで済まされます。でも、1時間に1本のバスが結構な頻度で遅れ、何の対策もなく、利用客が減っていく構図を黙ってみてるだけで「仕方ないよね」って、それは余りに無能過ぎだと感じます。 

 

 郊外の団地住まいの人は、車に乗れなくなった時に、「バスに乗る」という選択肢はなく、「家を売る時」との実感です。バスはあっても時間通りに来ないのと坂が急という理由が主で、利用客は少なく、事実、郊外の団地からの2次取得で市内の高級マンションが売れていたと過去の話ですが、それも事実です。

 明らかに金輪島より不便で、ここには私は住めません。

 

2022年10月 ◇◇金輪島は「住めば都はるみ」です その3◇ 

 

 金輪島は、10分間、定期船に乗るだけで、土地の価格が本土と比べ、50分の1以上にダンピングされてます。金輪島の相場はというと、坪1万円以下で約3年ほど売れませんでした。それ程、金輪島の環境が人気がないのは、ムカデや猪がでる田舎だからという理由だけでないと思います。

 誰もが車社会に毒され、「食わず嫌い」になっているからだと、そんな気がします。自分で判断しようとせず、他人の判断に追随することで安心感を得ているからだと。車が使えないこと以外に何が不便かを具体的に考えると分かると思います。

 

 その情報の発信は、以前はテレビが主でしたが、最近は、より身近な「いいね」の数に変わりつつあります。

 私は、車に乗らないので、世間の常識とは異なる価値観で、自分にあった場所を探しました。自分の目を信じて、この場所を選びました。「住めば都はるみ」です。

 

 その常識は、誰が造ったのでしょうか。

 金輪島には市内電車で通います。学生と高齢者、主婦が目立ちますが、利用客は多いです。だから、私のような価値観の人もいる筈だと。つまり、家の主などの決定権を持つ世代が、特に車の依存度が高いから、偏りすぎの常識が作られた気がします。車は便利なもので、それを否定はしません。でも、余りに、偏りすぎると様々な弊害も起こります。「節度」「調和」って言葉がふさわしいと思います。

 

 最近は、ブームになりつつあり、数人の買い手があって、もう売物件がないそうです。島の土地って、そうなんですよ。いざ欲しい時には、地形的に平地が少なく、土地が絶対的に不足します。 

 

 「ポツンと一軒家」は好きな番組で良く見ますが、とでも険しい道の先に・・・そこに住むのは、概ね70代。少なくとも、年金は貰っていそうな世代です。車が無ければ不可能な僻地に、住むところの価値観が今とは逆行していて実に面白いです。

 しかし、興味本位でみながら、正直「いつまで住み続けるつもりなのか、いつ事故を起こすだろうか」といつも心配して見ています。