《もぐらの想い④》この場所でやりたい音楽へのこだわり

物事はすべて模倣から始まるといわれ、音楽でいえは、好きな曲をカラオケで歌い、教本など見ながらマネをする模倣から始まり、次のステップで歌を作る作詞・作曲・編曲、歌唱、ライブ構成を考えるなどのオリジナリティのレベルに達し、それぞれ、作詞・作曲・編曲などの分業も行われます。

ライブで初めて聴くオリジナル曲は、やや歌詞が聞き取りにくく、音も不鮮明な印象があってか、真剣に聴こうとすれば、結構疲れるもので、その評価も感覚的なもの、伝わりにくい印象があります。

 

一方、昔流行った曲のコピー演奏は、模倣レベルですが、懐かしく、お金に余裕のある中高年層を中心に、よく知られているから、受け入れられ易い。路上なんかでも、昔流行った曲を歌った方がお金になるようです。でも、完璧なコピーは高い技術を要しますが、それを売り物にすれば、絵画等の世界でいえば模写(贋作)、ブランド品でいえば中国で話題のコピー商品と同じ犯罪レベルの話なので、上を目指すなら、安易に妥協せず、オリジナリティにこだわって欲しいと思います。

 

ただ、一流プロでもカバー曲などを歌うように、オリジナル曲中心のライブ構成にスタンダード曲等を挟むと、アクセントになるし、それも全体表現のオリジナリティの一部だと思っています。「自分らしいステージで来場者全員に楽しんでいただく」極めて単純なことなので、初めてのお客さんにも配慮し、自分の今の立ち位置を確かめる意味でも、自分の原点となった曲を、原曲どおりの演奏にはこだわらず、自然体で、自分らしく演奏し、歌うことを考えて欲しいと思います。

 

懐かしい曲をそのままに弾いて自分達が楽しむタイプのお店は結構あるので、ここは、自分達の思いを音楽にしてストレートに伝えたい、多くの人々の前で歌うことに飢えているような熱い人達の居場所にしたいと思っています。

聴衆の生の声や他の出演者の演奏等を聴き、自分に足りないものは何かと考えることで、また一つ成長する。自信がついたら、更に上を目指す。そんな上昇志向の人達に公平にチャンスを与える場所にしたいということが私の一番のこだわりです。

日々成長し、固定客となる支持母体を得るためには、相応の時間が必要ですし、技術が未熟でも、人の心を動かすことはできると思っているので、何か持っている、将来性があると一旦、見込んだ人達は、結論は急がず、せめて、石の上にも3年というスタンスで見守る姿勢を貫きたいと思っています。

 

それと、この場所は、音楽に関して、常に横の並列の関係を維持し、若い世代にとって居心地がよいと思える場所にしたいと思います。そもそも年齢にかかわらず、謙虚な姿勢で人の意見を聞く姿勢や相手の立場に立って物事を考える気配りがないと、チャンスは得られないし、真の実力がある者は、実力に比例して、そんな人間性も備わるもの、人間性が音楽や言動に現れ、聴衆は、その人の人間性を敏感に感じ取っていると思います。

 

・・・「和而不同(和して同せず)」 という言葉は、私が最初に覚えた四文字熟語で、謙虚な姿勢で人の意見を聴き、自分を強く出すことは控え、周りの人達と和やかに過ごすけれど、変に迎合せず、ブレず、自分のポリシー、信念は貫く・・・その境目がどこなのか・・・本当に難しいことですが・・・私のモットーです・・・

 

ですから、私は、モグラ親爺として、細かいことは気にせず、場所とモノを提供するだけの放任主義で、大局的にブレないように、長い目でこの場所を見守っていきたいと思っています。