《もぐらの想い②》薄利少売で長く続けたい

  学生の頃、酒蔵を改造したライブハウスに、ブラリと行くのが好きで、いつかここのステージに立ちたいという憧れもありました。ミュージシャンとの距離感、 アドリブ、トークの自由な感じ、酒も飲める気楽さが心地よく、何よりお金がなかったので、料金の手頃感が最大の魅力でした。レベルも極めて高く、福岡の 「照和」なんかで伝説として語られますが、そこから一流ミユージシャンが育っていったイメージでした。

 

今の時代、上昇志向の若手ミュージシャンは、どこに行ったのだろうかと思うことがあります。路上は、自由で、自分を磨くのにはいいと思いますが、オジさんの感覚でしょうか、最近物騒なニュースも多いですし、深夜の繁華街で、いざという時には誰も守ってくれない・・・冬は寒すぎるので、安心できる暖かい居場所があってもいいのかなと思います。

 

時代によってジャンル、価値観やツールなどは変わるとしても、間違いなく「音楽は滅びない」ものなので、今、CDが売れないなら、原点に帰って、生音で勝負すべきだと思います。

 

自分のこれまで過ごした時間を振り返り、また、今の時代に足りないものが何かを考え、若い世代でも月1回のペースで通える価格帯で、上昇志向のあるミュージシャンに均等にチャンスを与える安心感のある新しい形の居場所を造ってみたいという思いです。

 

30年ほど、税務署に勤めた経験から、何が経営を圧迫するかはこの目で見てきましたし、稼ぐことを優先するなら、税理士開業の方が「自分の庭なのでリスクは小さい」と認識していますが、50才を過ぎ、最後のチャンスだから「一番好きなことで何かを残したい」「何かを変えたい」「新しいことをやってみたい」という思いで始めました。

 

何とか自己資金の範囲内で無理せず、忙しいときは出演者等に接客等をお願いし、半自給自足生活で、自然体で、長く続けられるように・・・

30年間のサラリーマン生活は、それなりの充実感はありましたが、身を削るような緊張感で自分が壊れてしまいそうな恐怖感が常にありました。今は、そんなストレスはなく、お金に依存しなくても、気楽で楽しい日々を過ごしています。

 

30年の税務署勤務で思ったことは、人は、お金などが絡み、極限状態に近くなると、「嘘をつき、人を裏切り、傷つける」こともあり、お金は「多過ぎず、でも、生活に困窮する程、少なからず」が一番だと実感しました。

 

自分の弱さは知っていますから「奇跡のリンゴ」の木村さんのように耐えることもできないと思います。でも、土日祝日のみの営業ですし、草ぬきなど、やりたいことも沢山あって、退屈はしないし、お客さんの笑顔を見て、お話しできればさみしくもないです。

 

  車への依存度が高い現代社会で、本当に船に乗って来島していただけるのか、自信はありません。でも、便利すぎる生活に慣れ過ぎたからこそ、そのままの自然も音楽も人の原点そのものだから、いずれは、この 島の環境と目指すスタイルが受け入れられると思い続けたいし、それを極限状態にならずに、それなりに楽しみながら、木村さんばりの笑顔で継続できたらいいなと思っています。

 

  最近は、田舎暮しが見直されているようですし、高速道路を使えばどこへでも行ける便利な時代です。でも、車を使って遠くへ行くのは、やっぱり疲れるものですし、宿泊しない限り、運転手のお父さんはお酒も飲めないので、お金と体力を使った家族サービスという印象は拭えないものだと思います。

   ここは、広島市内にお住まいの方でしたら、休日の朝をゆっくり過ごし、10時頃からでもゴソゴソと準備し、公共交通機関の利用で無理なく遊びに来れる場所ですから、お仕事でお疲れのお父さんもしっかりとリフレッシュでき、半日くらいは十分楽しめて、お財布にも優しい・・・そんな場所にできたらいいなと思います。

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